SAW

 

「―――ん・・・ここはどこだ??」




フロルドはまだ痛む頭を押さえながら起き上がる




辺りは暗い


夜というよりも、全く光の入らない部屋のようだ


部屋はものすごく狭く、床や壁がへこんでいる


というか多分球体に近いのかもしれない


その部屋は自分が座ってようやく入れるかどうかくらいの広さだった





「・・・俺はなんでこんなところに?俺は確か・・・」



フロルドはいつものように狩りをしていた

しかし、いきなり後ろから何かを投げつけられ気を失い、気が付いたらこんなところに閉じ込められていた



「クソッ・・・ビクともしない」


暗くて何も見えないが、手で探ってみるとドアのようなものは見当たらず、壁の材質は鉄のようなものだった



「・・・誰か!!誰かいないのか!!」


辺りはしんとしている

その後遠くの方からかすかな声が聞こえてきた



「・・・お前もか」


フロルドは人がいるという安心と同時にその相手が誰なのかという不信感がこみあげた


「・・・だ、誰だ!!??」

「残念だったな。ここに入れられるともう逃げられない」

「・・・・・あんたも閉じ込められてるのか」

「ああ、もうかれこれ3ヶ月だ」

「なぁ、ここはいったいどこなんだ?一体誰がこんなことを??」

「さあな、ただ俺らとは違う生命体によって閉じ込められていることは確かだ」

「・・・あ、あんた『それ』を見たのか?」

「ああ、一度『刑務作業』というので外に出させられて、狩りをさせられた。その時に見た。デカかった」

「そ・・・外に出れるのか!!??」



フロルドの心拍数が一気に上昇した。手のひらから汗がにじみ出る感覚が分かる。頬を一筋の汗が走る



「そ、それで・・・?」



フロルドは興奮を隠しきれない口調で聞いた。もしかしたらここから出る方法があるかもしれない




「俺もさ、俺の隣のやつからその話を聞いたときはそんな感じになったよ」

「・・・??」



それはまるでフロルドの考えを見透かしたような言葉だった


「無駄だ、ここからは逃げられない。俺も刑務作業に出させられた時に逃げ出そうとしたよ。けど逃げられないんだ。その生命体が言葉を発すると体が勝手に動く。『戻ってこい』と言われると逃げたくても体が勝手にこの部屋の中に戻ってくるんだ」

「・・・どういうことだ?」

「わからない・・・あいつらのなにか特別な力なのか、それともこの部屋の力なのか・・・」

「そ・・・そんな・・・」




微かに見えた希望が容赦なく踏み潰される。俺はこのまま一生この暗い部屋の中、フロルドにそんな諦めがよぎった時

 

 

 

ギャァァオォォォ!!!!!

  

 

 

  
「き、来たぞ!!狩りだ!!」

「な・・・なんだ今の鳴き声は!!??」



すさまじい鳴き声と共にフロルドの部屋が大きく揺れだす。フロルドの緊張はピークに達した



「刑務作業だ!!今の鳴き声の怪物を倒してくるんだよ!!」

「え?・・・お、俺が?」

「あぁ!!そうだ!!死ぬなよ!!」



嫌だ、死にたくないというフロルドの気持ちとは裏腹に部屋の揺れは激しくなる



「帰ってきたらまた話そうじゃないか!!お前!!名前は!?」

「・・・フロルド・・・フロルドだ!!!お、お前は!?」

「俺はアダムだ!!だが今はポッポと呼ばれてる!!」





そして、部屋の揺れがピークに達した時、あの生命体が言葉を発した









 

 

 





『ゆけっっ!!ピカチュウ!!』




ぴ、ぴかちゅう☆









ポケモンたちは今日も行く、モンスターボールから飛び出して

 

〜めでたし〜

 

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正直この話思いついた時は焦った

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